ベネフィット型広告の終焉

【スペシャル・レポート】

2人のセールスマン

セールスライティングを勉強しているあなたなら、きっと「ベネフィット」の重要性は理解しているでしょう。お客さんは商品の「特徴」ではなく、その商品を買うことによって得られる結果、つまり「ベネフィット」を買っています。

例えば、「ドリルを売るな。穴を売れ」という言葉がありますが、見込客はドリルそのものではなく、ドリルを使うことによって得られる穴を必要としているのです。

なので、セールスメッセージでは常に、その商品の最も大きなベネフィットを中心にプレゼンしなければなりません。これが「コア・ベネフィット」とか「ビッグ・プロミス」と呼ばれるものです。しかし、、、世界でも指折りの報酬を稼ぐトップクラスのセールスライターは最近こう言っています。

 

「メディが増え広告が氾濫している現代では、

コア・ベネフィットを伝えるだけではもはや誰も見向きはしなくなった」

 

いったい、どういうことなのか?まずはじめに、ある2人のセールスマンの話を聞いてください、、、

想像してみてください。あなたは車をそろそろ買い換えたいと思っています。ガソリンの価格が最近高騰してきているため、次はハイブリッドカーにしようと決めています。そこで、ある日曜日、あなたは車のディーラーに足を運びました。

店に入って行くと、ディーラーのセールスマン”A”があなたに近づいてきました。彼はにこやかに挨拶をし、自己紹介をします。あなたは彼に新車のハイブリッドカーを探していることを伝えます。

セールスマンAはあなたにハイブリッドカーを選ぶことのメリットや、ちょうど最新モデルが発売されたところで期間限定の販売キャンペーンをしていることをあなたに伝えます。今、そのモデルを購入することによってどれだけお金を節約できるか、さらに金利の低い魅力的なローンプランが新しくできたことなどを話してくれました。

彼はさらに、実際にその新型モデルに搭載された最新の機能をあなたに見せながら、その新車のオーナーになることによってあなたが得られる魅力的なメリットを次々と説明します。さて、、、

あなたは彼のこのアプローチの仕方をどう思いますか?

あなたは彼の説明に興味を持つでしょうか?それとも、ちょっと抵抗を感じますか?

では、もう一人のセールスマンの例を見てみましょう。

あなたはもうひとつのディーラーに足を運びます。そのディーラーのセールスマン”B”もまた、自己紹介をしながらあなたに話しかけてきました。

しかし、セールスマンBのアプローチはセールスマンAとはちょっと違いました。彼は、どのモデルがおすすめだとか、お買い得だといったことを伝える代わりに、ある質問をあなたにしてきました。

「来月、ガソリンの価格がさらに8円上がることをご存知ですか?テレビのニュースで言ってましたよ」

”なんだって?これ以上まだ上がるのか!?”

あなたは心の中でそう思います。

彼はまた、最近あるビジネス書を最近読んだばかりであること。そしてその中で、実際には原油の価格は下がっているにもかかわらず、大手の石油会社が意図的にガソリンの価格を釣り上げていること。さらには、こういったことが行われていることは一部の政治家は知っているのに、企業からリベートを得るために黙認していることなどをあなたに伝えます。

「信じられないと思いませんか?」

彼はあなたに興奮気味に聞いてきます。あなたの心の中にもまた怒りの感情がこみ上げてきます。あなたは、そんなお金を彼らのために使うくらいなら、自分の子どもの学費に充てたり、家族旅行の足しにしたりした方がよっぽどましだと彼に言います。

彼はあなたの意見に「まったくその通りです」と同意しながら、自分もまた、ガソリン価格が上がり過ぎて毎日車を使うことができなくなったために、近所の人とカーシェアリングをはじめなければならなくなったことなどをあなたに話してくれました。

あなたと彼は、ガソリン価格の理不尽さや大企業の陰謀、そしてそれに対して何の手も打とうとしない政府について憤りながら意気投合します。あなたと彼は打ち解けながら会話は盛り上がり、やがて彼はあなたに最新のハイブリッドカーの試乗を勧めます。

さて、、、

あなたならどちらのセールスマンから車を買いますか?

セールスマンAでしょうか?それともセールスマンBでしょうか?

オファーの条件が同じであれば、10人中9人はまず間違いなくセールスマンBから買うでしょう。しかし、なぜ?

セールスマンAは単刀直入に本題である車の話に入っていきました。彼はその新車のベネフィットのすべてをピックアップし、実際に車を見せながらそのベネフィットが信頼できるものであることを証明しました。

一方、セールスマンBは最初、車の話は一切しませんでした。その代わりに、ガソリン価格がさらに上がる可能性があることを教え、その裏に隠された大企業や政府の陰謀について話をし、あなたに不安や怒りの感情を起こさせました。さらに、あなたの置かれた状況に同情し、自分もまた同じような犠牲になっていることを話しました。

つまり、セールスマンBは、本題に入る前に時間をとってあなたのことを理解しようとし、あなたが興味を持ちそうな話題を提供し、そしてあなたの置かれた状況に共感しそれを言葉にしたのです。つまり、、、

相手が得られるベネフィットではなく、

相手の「感情」にアプローチしたのです

お客の立場からすれば、これはセールスのプレッシャーをまったく感じない状態です。それどころか、あなたに親近感を抱き、もっと話を聞きたいと思うでしょう。

あなたの感じていることを誰かが言葉にしてくれたなら、それは相手はあなたのことを理解しているということです。そして、ほとんどの人はそれを望んでいます。自分のことを理解してくれる人に私たちは注意を払わずにはいられないのです。

もしあなたが「感情」を動かす言葉で相手の注意をつかむことができれば、相手はそれがセールスだとは感じにくくなるのです。

読む人の感情を動かす広告の人間心理

これは広告やセールスレターのヘッドラインやオープニングのリード部分でもまったく同じことが言えます。商品のベネフィットから話を始めたセールスマンAと、感情的なアプローチをしたセールスマンBとの違いを思い出してください。

そのベネフィットが優れたものであるかどうかに関係なく、セールスメッセージがベネフィットから始まると、見込客は瞬時にそれがセールスであることをすぐに見抜きます。ですが、この地球上のどこにも、売り込まれることを好む人はいません。それがセールスだと分かった途端、多くの人は抵抗を感じ、そこからできるだけ早く逃れようとします。

もっと言うなら、ベネフィットで始まる広告はほとんどの場合、見込客のことを理解しようとしていません。これは対面営業であれ広告やセールスレターであれよくあることです。いずれにせよ、これは相手に対してとても失礼なことですよね?これでは、売り手は見込客の家に土足で上がり込み、お金を出せと言っているようなものです。

このようなリードは相手の心の中に抵抗を生みます。「この人は私からお金を巻き上げようとしている」、「この人は自分のことしか考えていない」と思っても無理はありません。その結果、その広告を無視し、どこかに行ってしまうのは当然のことです。

感情のホットボタン

見込客の感情に訴える広告はこれとはまったく違った方法で相手にアプローチします。そして、正しい感情のホットボタンを押すことができれば、見込客の心に抵抗を生まないどころか、その代わりに「信頼」を生み出します。無視されるどころか、相手の注意を引くことができるのです。

なぜなら、それが売り込みだとは分からないからです。分かったとしても、明らかに他の広告とは違うと見込客は判断するからです。その広告は、相手が何を感じているかを理解しようとします。そして、相手が心の底で思いながらも言葉にできないことを、代わりに言葉にすることができるのです。

これはもはやセールスではありません。長年の友達のような関係です。それこそ私たちの多くが求めていることです。なので、例えそれが売り込みだと分かっても、見込客は続きを読まずにはいられなくなるのです。

不良少年の魅力の秘密

もうひとつ、とてもパワフルな秘密をお教えしましょう。実は、売れる広告と女性を魅了する男性にはある共通点があります。これは、人間心理を理解し、感情的なアプローチをマスターするまで、ほとんどの人が気づかないことです。

例えば、なぜ高級外車を所有し、年収は1億円、ルックスも性格も良いといったように、すべてを兼ね備えている、いわゆる「ナイス・ガイ」よりも、汚い服を着て態度も悪く定職にもつかない「不良少年っぽい男」に女性は魅力を感じてしまうのでしょうか?

普通に考えれば、こんなことはまったくナンセンスですよね?そんな男と付き合ってもメリットは何もないはずだからです。少なくとも、理性で考えれば「ナイス・ガイ」と付き合った方が、彼女が得られるメリットは大きいはずです。でも、「不良少年」は女性に「ナイス・ガイ」にはない何かを感じさせます。そして、エキサイティングで危険な香りがする男に、多くの女性は深い感情的なレベルで魅力を感じてしまうのです。

もちろん、「不良少年」を選んだ彼女も、いつか彼とは付き合いきれなくなるかもしれません。ですが、女性の多くは本能的に彼女の心を揺るがす「不良少年」を求めているのです。なので、そういった男性を見ると、放っては置けなくなるのです。そういった男性に魅力を感じずにはいられないのです。

広告もまた同じです。ベネフィットで始まる「ナイス・ガイ」タイプの広告に惹かれる見込客ももちろんいるでしょう。しかし、今までの数えきれないテストの結果、感情的な「不良少年」の広告の方が「ナイス・ガイ」タイプの広告よりもはるかに反応が高いことが分かりました。例えば、次の2つの広告を比べてみてください。これはどちらも全く同じ商品の広告です。

どっちの広告が勝ったと思いますか?

広告Aはベネフィットをアピールしたものであることが分かるでしょう。さらに、商品名まで記載されているので、これが売り込みであることが一瞬で分かります。

一方、広告Bは見込客の感情にアピールしています。「こうして、彼の心臓の大惨事は防ぐことができました」というヘッドラインは心臓病の恐怖を刺激するだけでなく、それを避けたいという欲求にも訴求しています。

サブヘッドでは、実際に回避することのできた問題について詳細に述べています。そして、これが恐怖の感情をさらに刺激してします。商品名は一切出てきていないことに気付きましたか?この広告を見る限り、読者は何かの商品が売り込まれるとは思わないでしょう。健康を脅かす心臓病を回避するための興味深い、そして信用できるレポートのように見えます。もちろん、ベネフィットもアピールしていますが、それはあくまで感情に訴えた後であることに注目してください。

さて、あなたはどちらの広告が売れたか分かりますか?

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そうです、勝ったのはもちろん広告Bです。そして、広告Bはあきらかに「不良少年タイプ」の広告です。

なので、もしあなたが広告でより多くの見込客に反応してもらいたいと思うなら、あなたが取るべきなのはこの不良少年タイプのアプローチです。感情的アプローチです。このアプローチで見込客の注意を引き、そして彼らを感情的に説得することができれば、あとは商品のベネフィットを伝え、それが事実であることを証明し、その商品を魅力的な条件で手に入れることを伝えればいいだけです。

とは言え、私たちは毎日様々な感情を感じながら過ごしています。いったい、あなたの見込客とあなたの商品やサービスを結びつけるコアとなる感情は何なのか?そして、その感情にどのようにアプローチすれば、相手は購入の決断をしてくれるのか?もしあなたがその方法に興味があるなら、「ダン・ケネディのセールス心理学マスターコース」がお役に立てるかもしれません。1月26日(火)までであれば、特別価格で参加できるので、下のボタンをクリックして今すぐ詳細を確認してください。